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若木信吾×マイク・ミン「Let’s go for a drive」銀座&六本木編

2017.07.14

銀座と六本木をテーマにした、若木信吾×マイク・ミンによる共作アートが展示。

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写真家の若木信吾と、ニューヨークはブルックリンを拠点に活躍するイラストレーターのマイク・ミンが、今年の春にオープンしたばかりの店、「ニューバランス六本木19:06」と「ニューバランス銀座」をイメージしたオリジナル作品を制作してくれた。両店がある六本木と銀座の街をテーマに、若木が撮りおろしたオリジナルプリントにマイクがイラストを重ねた作品のスタイルは、2人が1996年から行っているプロジェクト“Let’s go for a drive”によるもの。一緒に同じ場所で時間を過ごし、各々が感じたフィーリングをひとつの作品に落とし込むといった趣旨を持ち、これまでに北アメリカ、ニューヨーク、シンガポールなどの場所を題材に作品を制作してきたそう。「『リラックス』という雑誌で、僕がニューヨークへ行って一緒にヘリコプターに乗ったことがあったんですが、翌年に911があり、そのときに撮影をしたワールドトレードセンターの写真にマイクが絵を描いた作品を雑誌に掲載したこともありました。その場所に一緒にいて、同じ空間を共有して、そこで感じたことをひとつの作品にするというのが“Let’s go for a drive “なんです」(若木)

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約1年ぶりに再会を果たした2人が今回の制作のために向かった場所は、六本木ミッドタウン。雨予報を心配しながらも太陽の下でポテトを頬張りながら、外のテラスでスタンバイしていると、突然大粒の雨が降り出してきた。ひとまず雨の様子を見ようと、ニューバランスの店がある六本木ミッドタウンの入り口で待機をしていると、無言のままマイクが傘をペン代わりに、雨をインクに見たててコンクリートの地面に絵を描き出した。すると、しぶきで数十メートル先が見えなくなるくらいの大雨の中、若木がカメラを手に持ち撮影がスタート。何か2人の中にスイッチが入ってしまったのだろうか。「天気がかなり印象的だったけど(笑)。やっぱりその瞬間を逃したくないというか……。これまでにも“Let’s go for a drive”でもいろいろとありましたけど、その瞬間を逃したら終わりというか。良いか悪いかは別として、たまたま一緒にいて記憶に残ることって大きなハプニングじゃないですか? 記憶を取り戻すトリガーにもなるから」(若木)

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「シンゴのカメラが心配だったよ」(マイク)と、傘もささずに雨の中に飛び出す若木の後をついて行き、若木が濡れないように傘を差し出すマイク。「シンゴは、その瞬間をキャプチャーするのがスゴいんだ。今の状況はこうだから次はどうする? という考えは大切で、そういうことに関してシンゴは誰にも負けない。何でも来い! みたいな(笑)。ジャーナリスト的な目線も持ち合わせたドキュメンタリーでもあり、そして逆境に強いんだよ」(マイク)。そのときの状況に合わせ、その時間を自分なりの目線で楽しむ。実はこれ、2人に共通する大きなことのようだ。「かつて学校を卒業してマンハッタンに住んでいたときに、“今日はアップタウンからダウンタウンまで歩くだけ”とか、マイクが“いかに金を使わないで楽しむことができるか”みたいなことを言ったことがあったんです。それでついて行ったらいきなり壁に飛び乗ったり、いつもスケボーを持っていたので突然滑り出したり。僕はその姿を撮影しながら、ただ街をブラブラ歩いているだけでこんなに楽しいってことを、マイクが教えてくれたことがあったんです」(若木)

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雨の六本木の後は、銀座へ移動。これぞという瞬間を探しながら、夕方までには撮影を終了。数日後に出来あがった若木のオリジナルプリント2枚を持ってマイクはニューヨークへ帰国し、記憶と感覚が冷めぬうちにイラストを描いた。土砂降りの六本木の街と、銀座のマンホールの写真。そこに東京ではない別の大都会に住むマイクが改めて思った街と店の印象を、愛用しているKRINK 42のインクを使用して筆を走らせたそうだ。「シンゴの写真に絵を描く前、実はいつもナーバスになるんだ。何故ならシンゴの写真は、いつも美し過ぎるから。でも、一度描きだした後は止まらない。僕たちの作品はビジュアル面でのコミュケーションだから、良いコラボレーションができることしか考えていないんだ。僕はこれまで、自分自身を伝えるために絵を描いてきた。年をとるにつれ、さらに自分はこれまで何を確信しながら生きてきたかを考える。そんな自分の頭の中に思い浮かんだ光景を元に、目の前にあるシンゴの写真に、まるでレスリングのように猛アタックするんだ。そこには自由があるし、出来あがった作品の隅々に僕たちの気持ちが表れているんじゃないかな」(マイク)

works_02_shigowakagi_mikeming_lets_go_for_a_drive 若木信吾×マイク・ミン「ROPPONGI June 1st」
works_01_shigowakagi_mikeming_lets_go_for_a_drive 若木信吾×マイク・ミン「GINZA June 1st」

銀座の店はランニングステーションであることから、「今日は走るぞ!」と店にやってきた人たちに元気を与えることができるようにと、ストリートの顔でもあるマンホールに、マイクならではの“Wave of enegy”=エネルギーの波動を描いた。そして「文化と街の歴史を感じることができた」六本木。「街の裏道を歩いていて、ビルが多いにも関わらず静粛を感じたんだ。六本木って街に、人々は心を休めに来るんじゃないかな。だからそんな人たちを見守る護符的なものになるよう、魂を感じる自然の緑や野生の動物を描き、作品にちょっとした魔法をかけたんだ(笑)」(マイク)。

若木とマイクが2017年6月1日に歩いて観た東京の2つの街、そこで感じた感情が存分に詰まった作品は「ニューバランス六本木19:06」と「ニューバランス銀座」で展示されている。 写真家として、イラストレーターとして人生を歩む彼らの深くて素敵すぎる作品を観て、癒され、元気をもらえることができたのなら、きっとその日は豊かな気持ちで満たされるはずだ。

photo:Daiki Katsumata
text:Kana Yoshioka

styling

シューズ:
ニューバランス ML1978 HB〉17,800円(ニューバランス ジャパンお客様相談室 0120-85-0997)若木信吾 着用
シューズ:
ニューバランス 868 BWR〉13,800円(ニューバランス ジャパンお客様相談室 0120-85-0997)マイク・ミン 着用
※すべて税抜きの価格となります

shop info

ニューバランス六本木19:06

住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ガレリア1F
営業時間: 11:00~21:00(定休日は施設休業日に準ずる)
電話:03-6434-0603

ニューバランス銀座

住所:東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル 1・2F
営業時間: 11:00~20:00(不定休)
電話:03-5248-1940

profile

若木信吾

1971年生まれ。静岡県浜松市出身。写真家、映画監督。ニューヨーク州ローチェスター工科大学写真学科を卒業した後、雑誌、広告などで写真家として活躍。ミュージシャン、俳優など多くの写真集を制作する他、これまでに3本の映画を監督。出版社「Youngtree Press」、また浜松市にて「BOOKS AND PRINTS」をプロデュース。撮影当日に履いていたスニーカーは、Vibramソールが魅力の人気モデル「ML1978」。
http://www.shingowakagi.net

マイク・ミン

ニューヨーク/ブルックリンを拠点に活動をするペインター、イラストレーター。ローチェスター工科大学でイラストを学ぶ。世界的に高い評価を受けるアーティスト集団「Barnstormer」のメンバーでもあり、広告や企業へのイラスト提供、世界各国でアートショーを開催するなどさまざまな場面で活躍。スケートボードをこよなく愛するマイクが履いていたシューズは、ニューバランス ヌメリックの「868」。
http://www.mikeming.com