BETA PEOPLE

BETA PEOPLE vol.19 : ベッキー

2017.07.13

新しい自分に出会うための冒険を、いま

14歳でデビューして以来、テレビのなかにいるベッキーはいつも、まぶしかった。ヴィヴィッドな笑顔と黒髪は、そんな彼女を象徴する、ポジティブな記号だ。みずから描いた“ベッキー像”に近づくため、意志を持って自分をコントロールしてきたのだという。
「行きつけのお店で食事をすれば絶対に楽しめるのと同じように、いつ見てもはずれのない、同じ“ベッキー”でいたかった。だから、黒髪ロングヘアを保って、365日同じメイクを施して……自分が作ったルールと一緒に歩いてきたんです」

ところが、近ごろのベッキーは、新しい。もし、人生に第二章があるならば。昨年の活動休止をきっかけに、ここからは違った生き方をしてみようと考えるようになった。潔いショートにしたのも、つねに自分で仕上げてきたメイクを周りに委ね始めたのも、大きな変化だ。
「デビューしてからずっと、同じ良さをキープすることばかりが頭にありました。でも、ずっと胸に誓っていたこだわりを外してみたら、新しい自分に出会えた。肩の力が抜けて、いろんな挑戦ができるようになったと感じています。いまは、毎日冒険したい。そして、いろんな“ベッキー”を見せていきたいと思えるんです」
今日の撮影も、新たな挑戦のひとつだった。いままでにないほどの薄いメイクは、彼女がありのままを見せ始めたこととつながっている。誰かの手で、知らなかった自分を知っていくのは、面白い。

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「いままでは、玄関を出たら『オン』モード。苦しいときも悲しいときも笑顔でいたいと思っていました。でも最近は、もう少し人間らしくあってもいいのかな、って感じてる。コンプレックスを隠して生きてきたけれど、すべてを自然に見せて、それでも受け入れてもらえるような人間になりたい」
自分の弱さを、まずは彼女自身がしっかり受け止めた、ということなのかもしれない。素顔を見せたいと考えはじめてからは、オンとオフの差も減ってきた。どの時間も、どのベッキーも、地続きで生きているたった一人の存在だから。

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彼女はいつも、自分の心と身体に問いかけている。毎日の早寝早起きは、ちょっとした違和感を際立たせてくれる基準だ。考え事のしすぎで、今朝は脳がざわざわする。すこしだけ、お腹が重い。目覚めてすぐ、そんなふうに現在のコンディションがわかるのだという。
「『なんだか疲れた』みたいにおおまかな判断じゃなくて、自分のどこがどんな状態か、いつも見つめています。ストレスレベルが高いけれど、心はどう? 睡眠は足りてる? 胃腸は? というように、自分の各部門に問いかける。それで食事や睡眠、行動を調整するんです。オフの時間を作ることも、そう。頭がぱんぱんになっているときは、一人で過ごすリセットの時間がほしい。心がぱんぱんになってしまったら、友達に会ってリフレッシュしたい。感じすぎる心のストレスと、考えすぎる頭のストレスは別物だから、対処法も違うんですよね」
どんなときもベストコンディションを作っていくために、もしくは自分を保つために。感覚を研ぎ澄ませながら自分を整えている姿は、まるでアスリートのようだ。そう言うと、彼女は「だって健康なほうが、純粋に仕事がしやすいですもんね」と微笑んだ。彼女のコアはいつだって、“仕事をするための心と身体”だ。

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自分に必要なケアをさまざま知っているのも、彼女の強さだ。飲み物は、一年じゅう白湯を飲む。大切な撮影の前には糖質を制限して、むくみを取る。添加物を避ける食生活で、牛・豚・鶏はあまり食べない。でも、誘われたときや誰かと一緒にいるときは例外。食事を思いきり楽しんで、一人の時間でバランスをとればいい。
体を動かすのは、月に2回のジム。ストレッチポールを使って、コアを整えていくコンディショニングが中心だ。近ごろは登山にも行く。
「山を登るのはちょっと大変だけど、その先にかならず素敵なことがあるのがいい。たとえばウォーキングは、自分次第でいつでも引き返せてしまうじゃないですか。でも、登山はその道をただひたすら、息を切らせながら進むしかない。私にとって、ちょうどいいスポーツなんです」
14歳からずっと第一線を走ってきた彼女にとっては、体をつくり、動かし、整えていくことはもう、息をするように自然なのだろう。

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彼女は「いつも“ベッキー育成ゲーム”をしているみたいな感覚」なのだと言う。自分で自分を俯瞰する、プロデューサーのような視点。大好きな仕事をすればするほど、さまざまな経験が自分を成長させてくれる。そうやって彼女はレベルを上げて、進むべきルートを知る。“ベッキー”としてここに存在するために、必要なものを淡々と取り込み、またはそぎ落として、生きている。
「いままでは“かわいい”とか“ハッピー”な自分でいたかったんです。でも、これからは“かっこいい”生き方がしたい。自分の思い込みを捨てて、柔軟に。だけど軸をしっかりと持って、進んでいきたいと思っています」
その道のりで彼女はまた、自分にフィットするものを選び取り、新たな個性を身につけていく。

text: Sakura Sugawara

ベッキー

1984年3月6日生まれ。1999年「おはスタ」でデビュー。テレビ、ラジオ、雑誌、CMなど幅広く活動し、「笑っていいとも!」などのバラエティ番組や「ショムニ」などのドラマにも出演。また、「世界の果てまでイッテQ!」「モニタリング」などにも出演し、今年、デビュー19年目を迎えた。ファッション誌への出演も多く、若い世代のファッションアイコンとしても注目を浴びている。