247

7 ARTISTS:LETMAN

2017.01.24

7人のアーティストが描いた「247」~グローバルイベント東京~

<ニューバランス>の新品番「247」。24時間/7日間、人々の足元を快適にサポートするシューズとして誕生したモデルであり、その第一弾となる“247 Luxe”が1月7日に発売。そのリリースを記念して世界7カ国で、音楽やアートなどを取り入れたイベントが世界同時に開催されました。アーティストは24時間/7日間、絶え間なくインプットとアウトプットを繰り返し、常に進化しています。彼らを「247」の体現者と考えた東京では、国内外7人のアーティストに「247」をイメージして描いてもらった作品を展示しました。二人目となる今回は、オランダからやってきたカリグラフィを中心にレター(文字)をアートとして魅せるLETMAN。この日のために描き下した作品の拡大版をライブで描いてくれた。そんな彼が思う「247」とは?

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「普段の生活も、カリグラフィも。同じ動作を繰り返す、日々の積み重ねが僕を成長させてくれるんだ」(LETMAN)


—デザインはどのように学んだのですか?

LETMAN:最初はタイポグラフィをロイヤルアカデミーで学んで、そこからグラフィックデザインを専攻していったんだ。だけど、僕はコンピューターを使うよりも、自分の手を使って描くことがしたかったから、グラフィックデザイナーとして仕事をはじめてからもすべて手で描いているんだよ。自分の手でブラシを使って描くほうが、強弱のコントロールができるし、コンピューターではできないことができる。ちなみにノスタルジックな理由ではないよ。もちろんコンピューターも好きだしね。でも、手を使う方が自分には合うみたいなんだ。


—今日のライブペインティングでは、何を使って描いたんですか?

LETMAN:フラットなブラシを何種類か。描くレターの形や大きさに合わせて、ワンストロークで描いている。その中で強弱をつけて陰影を出しているんだ。


—ワンストロークで描くって難しいと思いますが、どうしたら描けるようになりますか?

LETMAN:とにかく何度も練習することだね。最初は上手くいかなくても、同じことを繰り返していれば、10年も経つと描けるようになるものだよ。そしてどんどん良いストロークを描けるようになってくる。これは僕が実際に経験をして信じていることなんだけど、毎日同じようなことを繰り返しているように感じても、実は毎回新しいことにトライしている。ゆっくりかもしれないけど、日々変化して進化していっているはずなんだ。だから毎日コンスタントにやり続けていくことに意味があると思っているんだよ。


—今回の作品では、何というワードが描かれているのですか?

LETMAN:「FOREVER」だよ。一番下は読めるでしょう? 二段目は逆さになってみると「FOREVER」って読めるはず。そして1番上は上下反転した「FOREVER」。

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—そういうことなんですね。面白い! こういった作品は、どのようなところで展示しているんですか?

LETMAN:企業やブランドともよく仕事をしているけれど、アートとしての作品はミュージアムでの展示がほとんど。僕としては、いろいろなタイプの人たちに作品を見てもらいたいと思っているから、異なった業界と仕事をするようにしているんだ。コマーシャルな仕事の場合、明確に向こうから必要とされるものがあるから、それに向かってアプローチをする。そして、文化的な側面ではミュージアムで伝える。それぞれが異なるアプローチで楽しいよ。


—「247」とは24時間、7日間という意味がありますが、日々進化するためにやっていることはありますか?

LETMAN:人生を構築していくことかな。例えば僕には小さな息子がいるんだけど、彼とともに人生を創りあげていくのもそのひとつ。そこには、世の中の世評を気にしないで自分のペースでやっていくことが前提にある。朝起きて、子供を送ってスタジオへいく。クライアントに会って、家に戻ってリラックスして、そしてベッドに入る……同じように感じるけど、こういった日々の積み重ねが自分を日々成長させてくれるんだ。カリグラフィってものは、同じ動作を繰り返し何度も行うようなものなんだ。ひとつの文字を描くのに、1、2、3、4、5……、1、2、3、4、5……という具合にね。でも同じ動作を繰り返していくうちに、どんどんリラックスして集中して描けるんだ。この動作も僕にとって、自分自身を構築するひとつなのさ。

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—カリグラフィの醍醐味はなんだと思いますか?

LETMAN:レターを使うことによって、それを観た人との関係性をすぐに縮めることができる。だから僕は、レターを描いているんだ。例えば、花の絵があったとする。視覚的に「ステキな花ね」と抽象的に捉えられがちなところを、レターをデザインして描けば、さらに人々に近づくことができる。カリグラフィは、レターとしての要素とアート的なデザイン要素の両方を兼ね備えているんだ。


—これからの活動予定を教えてください。

LETMAN:オランダへ戻ったら、ホテルに絵を描くことになっている。ヨーロッパで人気が出てきた学生に向けたホテルに魚をペイントしようと思っているんだ。100以上の魚を描くんだけど、カリグラフィみたいなものなんだよ。とにかく何度もストロークし続ける。あとは、今ちょうどスーパーマーケットに相談しているところなんだけど、美術館のひとつをスーパーマーケットにしようと思っているよ(笑)。なぜって? スーパーマーケットには、本当にたくさんのタイポグラフィが詰まっているからさ。歯磨き粉、歯磨き粉、歯磨き粉、トイレットペーパー、トイレットペーパー、トイレットペーパー……という具合にね。それとテキスタイル用にペイントをすることにもなっている。テキスタイルに関しては、数年前にベルギーのデザイナーとコラボレーションしているんだ。これからも、いろいろな人たちと仕事をしていきたいね。

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photo:Yoshiteru Aimono
text:Kana Yoshioka


LETMAN(レットマン)

1980年生まれ。オランダ出身。イラストとレタリングを組み合わせた分野の草分け的存在として、世界的に知られるアーティスト。カリグラフィを中心とした、膨大な種類の装飾的な文字や、タイポグラフィをはじめ、グラフィックデザイン、スクリーンプリント、グラフィティ、イラスト、ペインティングを融合させた手法も得意とする。大手企業のクライアントを持つとともに、2012年にはアーティストGIJS FRIELINGとともにブランド「Dries Van Noten」のテキスタイルデザインも担当。また同年、出版社のGestaltenより作品集を刊行。

http://letman.com