247

7 ARTISTS:HONET

2017.01.20

7人のアーティストが描いた「247」~グローバルイベント東京~

<ニューバランス>の新品番「247」。24時間/7日間、人々の足元を快適にサポートするシューズとして誕生したモデルであり、その第一弾となる“247 Luxe”が1月7日に発売を開始。そのリリースを記念して世界7カ国で、音楽やアートなどを取り入れたイベントが世界同時に開催されました。アーティストは24時間/7日間たえまなくインプット、アウトプットを繰り返し、常に進化しています。彼らは「247」の体現者と考え、東京では国内外7人のアーティストに「247」をイメージして描き下ろされた作品を展示しました。その7人のアーティストに迫る本企画のトップバッターを務めるのが、パリのグラフィティシーンをルーツに持つHONET(オーネット)。あごひげをたっぷり蓄えたサンタクロースのような出で立ちの、ファニーなキャラクターを描く作家です。

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「この鍵を持ったとき、僕はグラフィティの世界で5分間だけ有名になることができるんだ」


—グラフィティライターだったんですね。

HONET:16歳の頃からグラフィティをやっているんだ。当時はそれしかやりたいと思うことがなかった。気づいたら20年くらいグラフィティをやっているよ。最初は、友達に誘われて始めたんだよね。みんなで一緒に描いたり、夜に描きに出掛けては、警察に追いかけられて走って逃げたり。最初の頃は、描いているだけで楽しかった。描く内容は重要ではなく、外に出て描ける場所を探して、その場所をコントロールして描く。朝になると街が一望できて、パリは街並が綺麗だから最高に気持ちいい。グラフィティは“その場所に描く”という行動が重要で、それを観た人が反応することで成り立つんだ。シンプルだけど、シンボリックで力強く、観た人の心を捉えるものでないといけない。描くためにどういうプロセスを踏んでいくのか、そういうグラフィティのスタイルが僕は好きなんだよ。


—日本でライブペイティングをするとしたら、ここへやってくるまでのプロセスが大事ということになりますよね。

HONET:その通り。日本へ来てから、夜はパーティで遊んで、それとストリートをウロウロしている自分と。ほら、酒を片手に持っているでしょう(笑)。僕は動きのある絵を描くのが好きなんだけど、最近はそれをキャラクターで表現しているんだ。「247」で描いたキャラクターは、みんなカーニバルの格好をしている。あるひとつの儀式というか……グラフィティは組織への仲間入りを果たすという感じでもあるから。だからみんなマスクをして、顔を隠しているんだよ。多くの人々が集まっているけど、でも各々がどこにいるのか探しづらい。だけど、みんなの理解があるうえで、同じレベルで各々の人生を楽しんでいる。今回の作品のコンセプトは24時間/7日間、僕が生み出してきたキャラクターたちが走り回っているっていうコンセプトなんだ。

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—自身ではどんなタイプの作風だと思いますか?

HONET:僕はグラフィティをルーツに持っているんだけど、いつも3つの要素を取り入れている。レター(文字)、キャラクター、背景。レターを描き、その間にキャラクターを織り交ぜ、そしてレターに奥行きを持たせたくて背景が必要なときに入れたりする。この3つの要素を、最近は独立して観せることがあるんだ。


—いつも作品を描くときにテーマにしていることはありますか?

HONET:現実の世界の裏に隠されたものを描き出すこと。それを創造することが、自分の作品の重要なテーマなんだ。そしてそれを魅力的なものにして伝えていく。ライブペインティグでは鍵を描いたんだけど、この鍵は僕がさまざまなところで若い人たちをリードしていくことができる、という鍵なんだ。アンディ・ウォーホルがかつて「誰しもが5分だけ有名になることができる」と言ったけど、それと同じで僕はこの鍵を持ったとき、グラフィティの世界で5分間だけ有名になることができる。その鍵を持って僕は世界の街を回っているんだ。

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—今回は、東京で鍵を開けることができましたか?

HONET:まだストリートでは描けていないからまだだけど、直前まで来ているよ。実はだいぶ前に日本へきたときに、少しだけ鍵を開けているんだけどね。学校で教えてくれないたくさんの重要なことを、グラフィティから学んだし、それが今の僕のスタイルになっているんだ。


—24時間/7日間を快適に過ごすためにやっていることはありますか?

HONET:酒を飲むこと……と言ってもいいかな(笑)。酒があると良いグラフィティに出会うことができる。それは自分がグラフィティライターだからよくわかるんだ。グラフィティシーンが盛り上がっている時期にアーティストとして、良い選択を良い時期にできている。明日は何が起きるかわからない、その瞬間を思い切り楽しむことが大切なことだと思うんだ。

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photo:Yoshiteru Aimono
text:Kana Yoshioka


HONET(オーネット)

1972年生まれ。パリを拠点に活躍する作家。1988年にグラフィティライターとして活動をスタート。1990年代初頭にはパリの電車やトラックなどを勢力的に描く。その後、ロンドン、ブカレスト、ヘルシンキなどヨーロッパ全土に渡り、モスクワ、北京、東京などにも活動範囲を広げる。90年代後半より、ストリートからギャラリーへと拠点を移し、現在のスタイルを作り上げる。2005年には「PRADA SPORT」のイラストを担当するなどアパレルブランドをはじめ、企業への作品も提供。現在もグラフィティのスタイルを核に、日々の自身の行動=アクションを大切に、描くモチーフを通じて深いメッセージを届けている。

http://www.aventuresextraordinaires.fr